SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※1)を利用した医薬品等の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝)は、「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g」の用法変更を目的とした国内第III相試験(※2)において、主要評価項目を達成したことをお知らせします。
本試験では、筋層非浸潤性膀胱がんの疑いがある成人を対象として、アラグリオを膀胱鏡挿入4~8時間前に経口投与する用法の有効性と安全性を評価しました。その結果、主要評価項目である光線力学診断(PDD)(※3)の感度(検査により腫瘍病変が検出できた割合)が、現在の用法(膀胱鏡挿入3時間前[範囲:2~4時間前]に経口投与)に劣らないことが示されました。他の有効性の成績も現在の用法と同等であり、安全性にも特筆すべき懸念点はありませんでした。
今回の結果を踏まえ、用法変更の薬事承認申請を行う予定です。それにより、手術前のアラグリオの投与タイミングが柔軟になり、実臨床における利便性の向上が期待されます。
今後も当社は、皆様の健康で豊かな毎日に貢献できるよう研究・開発に尽力し、膀胱がんの治療に取り組んでおられるより多くの患者様および医療従事者の皆様に、アラグリオを有益に活用していただけるよう一層努力してまいります。
(※1) 5-アミノレブリン酸とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。5-アミノレブリン酸は、焼酎粕や赤ワイン等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(※2) 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)時の筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の患者を対象としたSPP-005の光線力学診断の用法変更に関する第III相試験:SPP2C102試験:jRCT2061210055
(※3) がん細胞がある条件下で特有の物質を蓄積する性質を利用して特定の波長の光を照射することで、がん細胞だけが赤い蛍光を発するという現象を応用した技術。正常組織とがん病変を容易に見分けられるようになり、高い精度でがんを見つけることができる診断法です。PDDは、通常の光での観察では見えにくい小さながんや平坦ながんが観察でき、同時に内視鏡下に切除できる画期的な技術で、日本泌尿器科学会のガイドライン(膀胱癌診療ガイドライン2019年版)でその活用が強く推奨されています。
以上
本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
SBIファーマ株式会社
E-mail: info_ala@sbigroup.co.jp
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